私が商業BLを嗜むようになったきっかけの本
私は大学3年生になるまでボーイズラブに属するものは読んだ事がなかった。
アニメや漫画はずっと好きだけど、pixivで腐の二次創作を漁る習慣も別に無かった。
インターネットは小学生の頃から使用していたので腐の文化があることは知っていたのだがNLのカップリングの方がどちらかといえば好きだった。
(沖神が大好き)
そんな私が初めて読んだ商業BL漫画は
本郷地下先生の「メトロ」という作品である。
表紙でわかると思うが、痴漢モノ(と一括りにするには違和感あるけど)で初めて読む作品にしては少々刺激が強かった。笑
ネットサーフィンしてると漫画サイトの広告とかサイトに出てくると思うのだけど、この作品もそうだった。
BL知識も何も無かったが広告にでてくる痴漢されている男の子が何かめちゃくちゃ可愛くて気になってしょうがなかった。
私好みの可愛くて綺麗な絵柄。
(そして試し読みだけでもめちゃくちゃエッチだった、、、)
広告が出てくるたびにクリックして試し読みしたりして、続きが読みたくて読みたくて仕方なくなったのでコミックシーモアという電子書籍配信サイトでついに購入。
まぁもう、めちゃくちゃ良かったんです。
ボーイズラブ!良い!!!と友達に電話して感動を伝えたい衝動に駆られるほど物凄い衝撃。
簡単にあらすじ。
母親から性に関して抑圧されている高校生の水葵(ミズキ)は、忍という男に毎日同じ電車で痴漢され続ける中、逃げようとせずその行為を受け入れる。
そして更なる関係へ発展し、忍のSな命令に従い続ける。
それまでの抑圧からタガが外れるように水葵は忍との背徳的な行為に耽っていくのだが、水葵同様に忍もある闇を抱えており、互いの存在によって変化が生まれていく____
といった感じ。
表紙は一見めちゃくちゃエッチなのだが(実際そうだけど)、かなりストーリーが良かった。
ただの痴漢ものではない。
二人とも負の部分を抱えていて、全体的に暗い話しではあるので好みは分かれるかもしれない。
(特に毒親などが地雷な人は注意かも)
しかし二人が交わることでその負の部分を昇華していく展開がかなり繊細に描かれているので一つの漫画としての完成度がとっても高かった。
これは抑圧からの解放を求める水葵と、トラウマに囚われた人生からの解放を求める忍の救済の物語。
あと一応ハピエンなので苦手な人も安心して欲しい。
私が特筆したいポイントは、この作品の男同士の性行為の描き方。
忍の印象的なセリフがある。
「セックスって汚いですよ。
全てを曝してどろどろに汚れ合って
終わったら洗い流す
それだけ」
水葵が何もかも初めてということもあって忍は最初に挿入する前の準備を丁寧にしている。
(ホテルに初めて行った日に挿入せず日を跨いで行なっている)
そもそも男のあそこはあれを挿入するためのものでは無いのでいきなりぶち込んだらかなりイタタなことになるし、BL漫画をめちゃくちゃ読むようになった今でもスルッと入ってしまうファンタジーに違和感を覚えてしまう自分がいる。
まあBL漫画自体ファンタジーなんだけども。
ただ性行為を綺麗なものとして描かないところが逆に良かった。
忍からしたらいくら同意とはいえ男子高校生(水葵は留年しているので19なんだけども)と性行為に及ぶということは社会的な立場が危うくなる可能性があって、人生終わらせたいと思っている彼にとっては自傷行為みたいなものだからかなり現実的に考えている。
本郷地下先生のトラウマの描写がえれぇ上手なので忍の闇の部分はかなり辛い。
自傷行為から特別な人との特別な行為に変わっていくというのはもう何というか熱いよね。
うまく言葉に出来ないのがもどかしい。
あとお互いがお互いの希望にはなっているんだけど、水葵が特に頑張って忍に歩み寄っている。
本当に健気で可愛い。
こっから健気受けにハマったのかもしれない。
歳の差カップルってやっぱり若い方がグイグイいって上手くいくパターンって現実でも物語の中でもそうだよね。
本郷地下先生の既刊のものは全て読んだのだけど、絵が綺麗なだけじゃなく本当に台詞回しが素敵でストーリーも深い。
そしてこのメトロは物語冒頭の独白からめちゃくちゃ雰囲気がいいのでビビッと来た人はぜひ読んで欲しい。
うまく語れなくてごちゃごちゃになってしまったが、私はこのメトロを読んでからコミックシーモアで沢山商業BLを読むようになった。
高校生の頃は当然クレジットカードなんか持っていなかったので携帯でエロい漫画なんか買って読めるはずもなく。
恥ずかしくて本屋で買えるわけでもない。
そういえばクレカあるんだから電子書籍だったら親にバレずに買い放題じゃねーか!!!と衝撃を受けて商業BLの沼に無事沈んだ。
メトロを購入した次の月にはBL漫画に一万円以上課金していることに気がつきちょっと自制しました。
ちなみに初めて買ったドラマCDもメトロ。
受けの水葵の声優さんは天崎滉平さんという方なのだが、メトロのドラマCDの発売が決まった頃にたまたま天崎さんにハマり始めたばかりの時でもう運命かと思った。
今もだが実家住みなので親にこの明らかにエッチなジャケットを見られるわけにもいかず、一人暮らしの友達に頼んで届け先にしてもらった。笑
んまぁもう素晴らしかった。
ドラマCDを聴きながら漫画を読むってかなり贅沢すぎる。
そこからドラマCD沼にも無事沈む。
また別の記事に書きたい。
本当に本郷地下先生のメトロをきっかけにしてボーイズラブの世界に沼ることができた。
本郷地下先生の別の作品で「世田谷シンクロニシティ」というものも大好きで選べないのだけど、やっぱりメトロが私の中で一番特別。
もしかしたらもしかしたら先生の目に入るかもしれないのでこの場でお礼を言わせてください。
どうもありがとうございます、感謝してもしきれません。
あとやっぱり、私のように購入するきっかけになる場合もあるから広告って大事なんだね。
すごい。